先日、田舎の土地の相続登記の依頼を受けました。不動産の登記簿には明治時代に設定された抵当権が抹消登記されずに残っています。どうやら依頼者の祖父が借入れをした際に抵当権を設定したもののようです。抵当権者の会社の登記簿を調査すると、会社は清算結了されていました。ダメ元で清算人にこの抵当権の抹消登記に協力をしてほしいという手紙を送付すると、清算人は協力していただけるとの回答でした。
今回は登記済証が紛失しているため、清算人にお会いし本人確認情報を作成し、清算人の個人印鑑証明書もお預かりできました。清算結了後の会社は会社の印鑑証明書が発行されませんので、今回のような場合、清算人の個人の印鑑証明書で足りるという先例があります。また清算人が協力してくれなければ訴訟、清算人が亡くなっていれば裁判所で清算人を選任する必要があったことを考えると、今回は非常に運が良かったと思います。